アメリカンコーヒーとは、浅煎りのコーヒー豆を使用し、多めのお湯で淹れたコーヒーのことを指します。アメリカ式の8段階で表示されるコーヒー豆焙煎度分類法で、焙煎度が低いシナモンローストやミディアムローストの豆を使用しているのが特徴です。一般的に、浅煎り豆を使用しているため、苦味よりも酸味が強い味わいとなります。また、砂糖やミルクなどは入れずにブラックコーヒーと呼ばれる状態で飲むという俗説がありますが、現実には65%以上のアメリカ人がミルクと砂糖を加えてコーヒーを飲んでいます。
アメリカンコーヒーは、豆本来のよい香りとさっぱりした味わいを楽しむことができるため、軟水を用いることが望ましいとされています。アメリカ西部の方が浅煎りの豆を使用し、東部の方が深めに焙煎した豆を使用する傾向があるようです。
ただし、アメリカンコーヒーとは言っても、その名称は日本で使われる呼称であり、世界基準となる珈琲鑑定士用語には存在していません。また、アメリカ人は自国のコーヒーについて「アメリカンコーヒー」と呼称しないほか、エスプレッソなどの薄くないコーヒーを好む傾向にあります。
アメリカンコーヒーの由来には、様々な説があります。例えば、東京・芝田村町のある石油会社ビル内の地下で営業していた某喫茶店で、日本のコーヒーを深煎りではなく浅煎りで提供するようにというアメリカ駐在員のリクエストに応え、浅煎りのコーヒーに見立てたという説や、日本珈琲販売共同機構を本部とするコーヒーハウスぽえむがアメリカンコーヒーを提供し始めたという説があります。
アメリカンコーヒーは、シンプルで飲みやすい味わいが特徴で、コーヒー初心者や苦味が苦手な方にもおすすめです。ぜひ一度、飲んでみてください。